2023年3月24日、衝撃的なニュースが飛び込んできた。5月2日から始まるMSI本戦に向け、いよいよLCKの代表チームを決めるPlayoffがスタートしたばかりなのだが、その序盤でMSIとWorldsの常連強豪チームDplus(筆者のような古いプレイヤーにはDKといったほうが解りやすいだろうか)の敗退が早々と確定してしまったのだ。
参考:上図および下図の情報引用元サイトはこちら。
ちなみにグループステージの結果は上図のような状況。Faker率いるT1が1強でやや抜けているのに対して2位~4位が混戦状態でGen.G、KT、Dplusの3チームがほぼ同率で追随している。そこに更に5位~6位の2チームを加えて上図のグリーンに色分けされた6チームでプレイオフを争い、プレイオフの上位2チームがMSIへ駒を進める形だ。
そして↑の表が今回Dplusの敗退で5位確定してしまった最新のプライズリストだ。
Woldsのように3チームも4チームも出れるわけではないということで各チーム緊張感をもってプレイオフに臨んでいたことが予想される。
プレイオフは上図左部分の様に、グループステージ上位6チーム中の3位~6位の4チームで最初に争い、「プレイオフへ選出する3位&4位チーム」を選定する。その後、上位2チームと合わせた4チームで敗者復活戦有りの準々決勝をスタートする形式だ。グループステージで2位以上(敗者復活枠付きの本選参加が確定)と3位以下で大きく差が出てくる所以でもある。
Dplusはグループステージ序盤は安定して2位で進んでいたところ、最後の最後に1勝の差で4位に落ちてしまったことがまず大きな不運であり、さらには敗者復活の許されないプレイオフ予備戦の相手にHLEというグループステージ後半、尻上がりに調子を上げてきた強豪チームと当たってしまったことが更なる不安だったと言える。色々と悔やまれるところではあるが、これも勝負の世界の常である、甘受して夏のWorldsに向けてまた頑張って欲しいところ。
※ちなみに、この2023年からDplusへ移籍した元DRXのDeft選手は筆者のお気に入りのADCの一人でもある。
(また、余談ではあるが、、、)
プレイオフ予備戦の相手となったHLEは2022年WoldsでT1を下して優勝したDRXのZeka(MID)とKingen(TOP)が移籍したチームだ。中国のトップADCであったViper(元EDG)も同タイミングで移籍しており選手個々のポテンシャルは世界でもトップクラスといえる。(参考:GOSU GAMERS)
グループステージ序盤は新しいチーム体制ゆえのコミニュケーションミスなどから黒星を重ねてしまっていたが、後半しっかりと帳尻を合わせる形でプレイオフでDplusを下した辺り、頂点を経験してきたプレイヤーのみが持つ勝負強さ調整力のようなものを感じた次第。
試合後はヤスオで大活躍したZekaがファンサービスでペットボトルを日本刀に見立ててヤスオ風のジェスチャーをしていた(笑)
DRX時代はこのあたりの役回りはJGのPyosikだったイメージだがLCKは試合後に勝利チームのこうしたちょっとしたファンサービスが場をホッコリさえてくれて実に微笑ましい。
それにしても、つい半年前に同じチームでWorldsの頂点を極めたチームメイトが別々のチームに分かれてLCKのプレイオフを争い、一方は敗退してMSIへの道を断たれ、一方は新天地で新しい役回りを獲得していく。こうした諸行無常をLOLを通じて感じられるのはとても感慨深い。Eスポーツがまさしく『スポーツ』になってきたのを肌で感じている。
その土壌を醸成させてきたのはこのLCKというLOL界隈では最も過酷で厳しい環境ならでは、ともいえると思う。次から次へ新たなタレントが現れる一方でFakerのようなレジェンドが第一線で活躍し続けており、どのチームが勝つか、何が起きるか一寸先が読めない。良い意味で想定を裏切り続けて、新しい歴史、新しい伝説が創られていくこのLCKの空気が筆者は大好きだ。
プレイの質の高さのみならず、その背景にある、各プレイヤーの思惑と想いの強さを感じつつ、是非とも試合を見て頂きたい。2023年の上位チームは本当にいずれのチームも世界を獲るポテンシャルを秘めており、LCKの代表枠を勝ち取ることは世界戦の決勝~準決勝辺りへ駒を進めるのと同じ位の難しさがあると筆者は思っている。この先のプレイオフの行く末も感謝と敬意の念を持って見守りたいと思う。
試合に関しては下記の公式チャンネルで見ることが可能だ。各プレイヤーの誇りをかけた熾烈な1戦を是非ともご視聴あれ☆