E-Sports Life

League of Legendsで戦う管理人の奮闘記録

EWCに優勝するもLCKサマーで苦戦するT1

相変わらず国際戦に強いT1。対照的なのはGen.Gか

TOPの画像は2024年7月4日~7日にかけて行われたE-Sports WorldCupのLOL部門でT1が優勝した時のもの。このEWCはサウジアラビアで2024年から開始された大規模かつ賞金額の大きな大会で(LOL部門はそれほど賞金額が大きくないのが筆者としては残念だが)2025年以降も継続的に開催を予定しており今後のEスポーツシーンにおいて重要な大会の一つとなることが予想される。


大会の参加チームと組み合わせは上図のような感じだ。出場チームの選定は至ってシンプルでメジャーな4リージョンから上位2チームを招いて8チームでトーナメントを行った形式。決勝のみBO5でそれ以外はBO3ということで1戦1戦の重みが大きな大会と言える。T1は初戦で中国のBLGを下し、その勢いのまま準決勝で米国のTL、決勝で再び中国のTESを下しての優勝となった。Faker率いるT1が国際大会で中国の上位チームを立て続けに破るのはもう見慣れたものだが、筆者から見て印象的なシーンがいくつかあったので触れておきたいと思う。



北米リージョンの躍進。着実なレベルアップが見られること

こちらの画像は初戦でTLがFNCを2-0で下したシーン。FNCは欧州のEスポーツの競合チームでとりわけLOLにおいては国際大会の常連で同じメジャーリージョンとはいえ北米のチームとは一線を画す印象がこれまでは強かった。それが2-0でしっかりと勝ちを収めている辺りに北米勢の地力の向上を強く感じた。

このTLは準決勝でT1と当たる訳だがT1も2-1と1本取られており、動画を見ると解るのだが辛勝も辛勝、負けていても全然おかしくない試合だった。


今後、LOLシーンにおいてはリージョンの割り振りが若干変わってくることが予想されており、米国地域におけるメジャー大会の追加も検討されている中でこの北米チームの躍進は色々と好ましい流れとも思える。

 

MSIの雪辱を果たす形となったTESの気概

EWC決勝でT1と当たったTESというチームはこのEWCの少し前、MSIにおいてGen.Gに決勝のアッパーブラケットで2-3で敗れ、ロウアーブラケットにおいてはG2に0-3でストレート負けしている。(上図はMSIのプレイオフのブラケット。赤丸部分がTESの対戦箇所となっている)

これに対して1カ月弱しか経っていないこのEWCにおいてはMSIの優勝チームであり、且つ、LCK韓国リーグで首位を独走しているGen.Gを2-0のストレートで下し、MSIでストレート負けをして土をつけられたG2に対してもこちらもしっかりと2-0で雪辱を果たしている。(下図の黄丸箇所が該当の対戦箇所)

 

いずれもチームメンバー・プレイヤーはMSIの時と同じメンバーでの再戦となっておりWorldsに向けてしっかりと調整をしてきている感を出してきている。T1には決勝で敗れたもののWorldsでの活躍は期待できそうだ。

一方・・・当のT1はというと・・・

7月20日の対戦が終了した時点で上記のような状況、5-5で5位タイという状況だ。特に厳しいのが7月18日にBNK FearX(当時2勝5敗)の下位チームに負けてしまったことで上位陣がひしめき合っている今期のLCKサマーにおいてなかなか厳しい位置に落ちてしまっている。プレイオフにさえ進出できればしっかり勝ち上がってくれると信じてはいるものの、下位チームに対しても不安定なゲーム展開が多く、特にT1の生命線ともいえるBOTレーンを基点としたオブジェクト管理がなかなかできない展開が続いているのが気になるところだ。

ちなみに18日のBNK FearX戦の3戦分のスタッツは以下のような感じ。

【1戦目】


【2戦目】


【3戦目】


BOTも気になるが、JGの選択チャンプも気になる点でサポーティブなアイヴァーンやザイラを使用している。

いずれもファーム速度が速く、その優位性を活かして他のレーンやオブジェクトにリソースを割いて優位を作っていくタイプのチャンプだがOner選手の強みは(非常に個人的な見解で在り恐縮だが)ファイタータイプのヴィエゴやリー・シンなどでアグレッシブにリバー周りから敵JGに圧をかけて制圧していくようなスタイルに在るように感じている。Fakerが三戦ともトリスターナMIDを出していることからAPダメージの補完という意味合いやMIDのサポートという流れで選択している可能性が高いと思うのだが格下のチーム相手にこういうピックをして3戦とも持ち味を出せずに最終的に試合を落としてしまった、というのは後味が悪く、今後に少し引きずりそうなPICKと敗戦となったのが気になった次第。

※事実、この二日後、20日に行われた対HLE戦も0-2で落としている。パッチや対戦相手にあわせてカウンターピックやメタピックをするのは勿論重要なのだが、各選手の持ち味やモチベーションを高めていけるような流れを変えていくようなピックも必要な時期なのかもしれない。


と、素人目線で思うがまま書いてしまった訳だが、何はなくともWorldsで再び中国勢やGen.Gとしのぎを削り合う強いT1がただただ見たい訳で。なんとか良い流れを取り戻してLCKサマーを乗り切って欲しいところだ。引き続き見守っていきたいと思う。