準々決勝はどのカードも必見。強いT1がWorldsに帰ってきた
10月17日~20日にかけて行われたノックアウトステージ初戦、結果からお伝えすると以下のような状況で小さな波乱もいくつか生じていた模様。
各日程で感じた所感を筆者目線から少し触れておきたいと思う。
【初日】WBG vs LNG
個人的にはLNGを押していたのだがWBGが3-1で勝利。昨年のファイナリストとしてのプライドを見せつける形となった。LCKもLPLもシーズン中の順位が必ずしもWorldsの戦績と直結しないということを改めて感じさせられた1戦。
【二日目】BLG vs HLE
LCKサマーを制したHLEだがBLGに3-1で敗退。BLGはスイスステージでLNGとT1にサックリと負けており今回のWorldsは調整不足か?と思っていたのだがここまで安定感のあったHLEをしっかりと下すあたりLPL夏シーズンを制したチームの覇気のようなものを感じた。これによって準決勝のカードの一つがWBG vs BLGというLPL対決となることが確定。個人的にはLCK vs LPLが見たかったので若干残念なところだ。
【三日目】T1 vs TES
T1はスイスステージでTESに負けており雪辱も兼ねての1戦。結論から言うとT1が3-0でTESを圧倒する結果となった1戦。スコアもさることながら内容も非常に濃いもので、TESがミスらしいミスをして負けたというよりはT1がアウトプレイを絡めて集団戦をキッチリと勝ち切ってつけ入る隙を与えずに勝ち切った勝利という風に見えた。
特に印象的だったのは各試合、キープレイヤーがしっかりと機能していたことで2戦目のFakerアーリ、3戦目のKeriaパイクはいずれも試合の流れを決めるべくアウトプレイを連発していたし3試合通してノーデッドだったGumayushi、そしてWorldsで一番パフォーマンスが変わる印象があるJGのOnerはLCKと打って変わって意図が明確な安定感あるプレイを見せてくれた。正直LCKをシーズン通してみていた筆者としてはGENとT1がトーナメントの同じ山に配置されていたのは面白くない気持ちもあったのだが、このTES戦のT1を見て俄然楽しみになってきた。
【四日目】GEN vs FLY
恐らくほぼ全てのファンがこのカードは消化試合と予想していたのではないかと思う。MSIの覇者でありLCKでも最高勝率でWorldsに駒を進めてきたGENに対して唯一のNA勢であるFLYが勝つシーンを想像できた人はほぼ居なかったのではないだろうか。しかし、結果こそGENの勝利となったものの内容は多くの人の予想を裏切る形となった。
FLYのトリッキーなバンピックとのびのびとしたプレイに対して萎縮したかのようにGENの各プレイヤーはミスを連発。気づけばセットカウント1-2とベスト8敗退まであと1本というところまで追いこまれるGENがそこに居た。
とはいえここは流石に歴戦の猛者GEN、何とかペースを取り戻して踏みとどまり本来のGENの動きに戻り3-2で辛勝する形となった一戦。前日に盤石の仕上がりをみせたT1と本当に対照的な試合となり「WorldsはLCKシーズンと違う」ということを改めて実感させてくれる結果となった。また、敗れはしたもののFLYの善戦は本当に素晴らしかった。筆者はLCKとLPL以外のリージョンのシーズンはあまり見ないのだが、NAのシーズンを少し見てみたくなった。
LPL対決も注目だがやはり注目は二日目のT1 vs GEN
早いものでWorldsもこの週末の2戦が終わると来週の決勝を残すのみ、となった。対LPLチームに対して非常に強いT1にとっては準決勝がLPL同士対決+LCK同士対決となった今回の組み合わせは若干望ましくない展開かもしれないが、一方で、LCKでトップチームと名高いGENをしっかりと直接対決で下してこそ、Worlds優勝カップの意義がある、と思っているのではないだろうか。
そういう意味でもこの準決勝のGEN vs T1の直接対決は非常に興味深いところだ。しかもほんの1週間前のノックアウトステージ初戦でこれだけ対照的な仕上がりの差を見せた2チームの直接対決、ファンならずとも結果を是非見守りたいと思っている方は多いのではないだろうか。
そんなわけで、T1へのエールの意味も込めて筆者のピッケムは上図のような感じだ。強いT1がGENと熱い試合を繰り広げるのを心待ちにしつつ、本日のWBG vs BLGの1戦も見守りたいと思う。