ノックアウトステージ初戦でまさかのGen.G敗退
決勝トーナメント第一ラウンドを終えて一番の想定外は間違いなくGen.Gの敗退に尽きるだろう。
相手はLPL2位のBLG。確かに負けてもおかしくはない強豪チームではあるものの、このGen.Gの敗退にショックを受けたファンは多かったのではないかと思う。
しかも、2-3とフルセットで戦ったにもかかわらず、どうにも釈然としないバンピックが多かったのもその一因ではないだろうか。BLG側は5戦中3戦、MID-オリアナとJG-ジャーヴァン4の強力なULTコンボの構成を軸に戦い、この3戦全てに勝っている。
5戦目に至ってはオリアナージャーヴァン4ラインを取られただけではなく、Gen.Gのカイサに対して有効と思われるセナータム・ケンチ構成を対面に取られ、結果としてレーンでも主導権を取ること叶わず、且つ、集団戦でも圧倒的なバリア構成を敷かれてオールイン構成であるGen.Gは為す術なく敗退した、というのが率直な印象だった。
※左側に各ロール毎のGOLD差が記載されているが、セナの場合はCSを代わりにタム・ケンチが取るためADCとSUPの合算で比較しないと有効な比較ができない。合算した場合、ADC+SUPの総計で3000GOLD負けている。
コーチからどのような指示が出ていたかは不明だが、有効に機能しているオリアナージャーヴァンのラインをそのままに、BOTレーンでもレーン・集団戦共にGen.Gにとって厳しめとなる構成を取らせてしまい、オールイン構成のGen.G vs バリアスキル膨大なBLGとなった時点でGen.Gの敗色は濃厚だったのではないだろうか。せめてオリアナをBANか取り上げをしていたらどうなったのか、見てみたかった気もするが今となってはもうそれも叶わない。
期せずしてWCSのベスト4はT1+LPLの3チームという結果に
T1を応援している筆者としては悪くない流れ、とは思っているものの、世の中的にはGen.Gの戦いをもっと見たかった人は多かったことと思う。しかしながら、上図のように残りはT1以外全てLPLチームとなった。
12日のT1vsJDG戦は特に注目されている一戦なのではないだろうか。これにもしもT1が負けてしまうと韓国のお膝元で実施される決勝ファイナルがLPL決戦、なんていうちょっと出来の悪い笑い話のような状況になってしまう。そして、JGDのポテンシャルを考えるとそうなってしまう可能性も割と高めなのだ。
Two Faker stats that are almost too crazy to be real
— Josh Leesman (@esportsjatt) 2023年11月5日
8 Worlds appearances — 8 Worlds Semi-finals reached
Never lost a Bo5 to the LPL at Worlds in 8 Worlds
There are only LPL teams left to play…
しかし、ここで興味深いデータを見つけたので是非見て欲しい。上記はフリーのEスポーツキャスターであるJosh Leesman氏のTwitterからの引用なのだがFakerの信じられない2つの実績について言及されている。
1)Worldsに8回出場し、且つ、8回とも準決勝以上に残っている。
2)BO5でLPLのチームに負けたことがその8大会中一度もない。
と、いうことは・・・?
この流れで本大会も進めることができた場合、T1の優勝の目が(少なくとも過去の統計データに基づいた予想としては)非常に現実的にあり得る、とも言えるのだ。
この点は筆者も実は共感できる部分が強い。昨年もJDGを準決勝でT1は下しており、LPLのチームに対する相性はGen.Gよりも良い印象がとても強いのだ。また一方で、T1が負けるとしたら同じLCK畑のGen.Gが本大会の中では最も警戒すべき相手、と感じていた。
真相は定かではないが、強いT1が帰ってきたのは事実
実際のところ、過去8大会を振り返ったりどんなに予想をしてみたところで対JDGの結果は解らない。LPLで最も強く、大会の優勝候補の筆頭と言えるチームの一つとT1が戦う、ただそれだけなのだ。ファンとしてはただただ、勝利を祈って応援するしかない。
しかし、一方で、このWorldsの最終局面においてシーズンのどの時点よりも強いT1が戻ってきているのも事実だ。スイスステージ最終局面の対BLG戦のT1も強かったが、この決勝第一ラウンド、対LNG戦のT1も凄まじい強さだった。
【1戦目】
キルカウント:13-2
タワー:8-2
オブジェクト:ドラゴン、ヘラルド、バロン全てT1が取得
【2戦目】
キルカウント:8-3
タワー:7-2
オブジェクト:ドラゴン、ヘラルド全てT1が取得
【3戦目】
キルカウント:13-3
タワー:10-2
オブジェクト:ドラゴン、ヘラルド、バロン全てT1が取得
上記の様に3戦とも圧倒的だった。
しかも対Gen.GのBLGの様に特定の戦法が機能して勝ったというよりはMIDもBOTもJGも様々なチャンプで柔軟に、その上で全レーンで有利をとって勝っているのがとても印象的だった。
特に、MIDのFakerは良くも悪くもブレがなく for teamの精神で淡々と仕事をするのがほぼ確実な一方、強いT1はTOPのZeusとBOTのGumayusi&Keriaが上ブレする。特にこの対LNG戦ではZeusの鬼神のような働きがとても印象的だった。
この仕上がり具合であればJDG戦も大いに期待できるのではないだろうか。どんなに心配をしても、今週末には結果が出る。T1ファンにとっては日曜日17時が正念場だ。この素晴らしいシチュエーションを是非皆で楽しもう。